fc2ブログ

副資材のお話し

瓦屋根を施工するにあたり、瓦以外に釘、ルーフィング(防水シート)等の副資材が必要です。
ステンレス釘②
瓦を留めつけるための「ステンレス釘」各種
ルーフィング①
瓦を施工する前に、野地板の上に貼る「ルーフィング」各種
パッキン付ステンレスビス①
主に平板瓦の袖瓦、棟瓦の留め付けに使用する「パッキン付ステンレスビス」各種
強力棟③
棟瓦をビス留めするために垂木を通すための「強力棟金具」各種
シルガード②
棟、壁際などに使用する「南蛮漆喰」各種
捨て水切②
主に平板瓦に使用する「捨て水切り」各種
人工木材
瓦座、登り淀に使用する「人工木材」各種
弊社では、瓦以外に屋根工事に必要な「副資材各種」を本社及び、各営業所で取り扱っておりますので、お気軽にお問合せ下さい。
各所在地は弊社ホームページでご確認下さい。
  ↓   ↓   ↓
昭和窯業株式会社ホームページ
スポンサーサイト



いぶしベビーのお話し

瓦の製造過程で、瓦を留めつける釘穴を開けるのですが、従来は、粘土に再利用していました。
IMG_5957.jpg
写真上部の穴
発想の転換で、その粒を焼いてみると、面白いものが出来ました。
DSC_2675.jpg
大量の瓦チップです。

利用方法はと言うと…
R0011268.jpg
観葉植物の土の代わりに使ったり、
DSC_2673.jpg
水槽の中に入れたりして利用が可能です。
Point!
いぶし瓦には、木炭と同様、小さな穴が沢山開いています。
その穴に空気を取り込み、植物の成長に大切な酸素を送り、適度な水分と酸素を保つことが出来ます。
ハイドロカルチャーのように使用が出来、汚れたら洗って繰り返し使えるので、とっても経済的です。
Point!
【置く場所を選びません】
普通の鉢植えでは、排水の受け皿が必要となりますが、「いぶしベビー」は排水を要しない為、受け皿が必要ありません。
キッチンやトイレなど、置き場所を選ばずどこでも楽しめます。
【お手入れ簡単、水を与えるだけ】
お手入れは水を与え、汚れてきたらザルなどで洗うだけ。
また、土と違って土壌中からの害虫の発生はほとんどありません。
【浄化作用があります】
水槽底や金魚鉢に入れると、浄化作用で水が美しくなり、汚れにくくなります。
DSC_2672.jpg
大きな大地からの恵みを、小さな粒に変えて皆様のお手元に届けたい!
瓦を少しでも身近に感じてもらいたい!
そんな想いから誕生した『いぶしベビー』
用途はアイデア次第でまだまだあると思いますので、皆様のオリジナルを探してみませんか?

瓦輸送のお話し

瓦の輸送の大多数は、トラックで各地に運ばれています。
P1050032_20130128064644.jpg

P1050492.jpg
まずはマルショウ運輸さんのベンツ!
西へ東へ、長距離輸送のスペシャリストです。
P1050621_20130128064643.jpg
こちらは同じくベンツですが、なんと静岡県の御得意様の自家用トラックで、淡路島まで積み込みに来て頂いています。とても瓦を運ぶトラックには見えませんよね。このセンス、見習いたいものです。

近距離には3t車などの小型車。
2_20130128064838.jpg

1_20130128064839.jpg
現場直送真心便のため、殆どが「バラ積み、バラ降ろし」!
悪条件の現場でも難なく任務を遂行するスペシャリストです。
ニーズの多様化で、荷物の邸別梱包、積み合せの増加など、運送会社様には無理をお願いすることが多いですが、それに対応していただき感謝、感謝です。
何より一番大事なのが安全運転!
今日もご安全に。

ご報告遅れました!

ほんとに寒い日が続いていますね

香川営業所、久々のブログです
昨年夏頃から工事が始まった【蓮光寺 本堂】
完成です
DSCF1185.jpg
本堂、本葺き瓦9寸×尺寸切落ち判の平瓦を使用しています。

鬼瓦は、経の巻(別注寺紋入)
DSCF1184.jpg

DSCF1186.jpg

DSCF1187.jpg

現在は、山門の葺き替え中です。
DSCF1188.jpg
使用瓦は、本葺き瓦8寸×9寸の平瓦
軒巴と素丸は長屋判を使用しています。

瓦業界のイチローさん(職人さん)
あと少しで完成ですね!
これからは益々寒さも厳しくなりますが体調管理をして頑張ってくださいね

鬼瓦のお話(鬼面編)

お寺では、経の巻鬼と同じく鬼面鬼が多く使用されます。
鬼面①
鬼面は、鬼師が持つ技術・技能に加え感性の豊かさによって造られ、鬼師の心とも言えます。
鬼面②
一般に鬼面と言われている鬼瓦の形状は、目鼻口等が立体的であり、又角が付けられています。
鬼面③
鬼面には、雌雄があり、口が閉じたほうが雄、口が開いたほうが、雌です。
古代鬼面
古代鬼面は、板状に鬼面模様が彫り込まれており、重厚さは表現できませんが、門・鐘楼等の小型建築物に適した鬼瓦であります。
DSC_2197_20130125064101.jpg
このように鬼面は手造りで、鬼師が丹精込めて一つずつ造っています。
それぞれの鬼師の感性により表情が違う「鬼面鬼」。
見比べてみると、なかなか面白いですよ。

※主な文献参照…甍技塾発行 瓦施工書

鬼瓦のお話(経の巻編)

お寺でよく使われる鬼瓦で「経の巻」があります。
DSC_0072_20130124071256.jpg
一口に「経の巻」と言っても、足、角の形が様々あります。
P6280227.jpg

P1060133.jpg

P1000592.jpg

P1010873_20130124071300.jpg
民家の小ぶりな鬼瓦とは違い、このような鬼瓦は鬼師さんの手造りになり、卓越した技能が必要です。
また三個以上(頭と左右の足)に最初は分かれているので、葺き師さんの熟練した技能により、屋根に据付られます。
P1050977_20130124071254.jpg
また、このように愛着のある鬼瓦でも、悪い箇所を修理し、焼き直すことにより再度使用することが可能であります。
造り手、葺き手の卓越した技能を絶やさない為にも、「売り手」が頑張らなければ!!!

鬼瓦のお話(民家編)

鬼瓦とは、棟の端を飾る装飾瓦の総称であり、様々な形状及び紋様の瓦が造られています。
鬼瓦は、建物の持つ意匠及び目的を表現することができ、又建物のグレードを表すものでもあります。
紋様には、水に関する模様が多い所から、建物を火災から守る願いを込められているとも言われています。
カエズ鬼
【海津鬼】
海津鬼は、鬼瓦の中でもシンプルな形状の瓦であり、屋根を軽快に見せる場合に使われます。
京カエズ
【京海津鬼】
京海津鬼は、シンプルでいて、尚暖かい感じが表現できるので、民家の入母屋屋根等全ての屋根に使用できます。
角張
【角張鬼】
全国的には、最も多用されている鬼瓦です。
福林
【福林鬼】
産地によって微妙なデザインの違いがあります。
立浪
【立浪鬼】
愛媛県の菊間産地で多く使用されている鬼瓦です。
鬢付
【鬢付(ビン付)鬼】
島根県の石州産地で多く使用されている鬼瓦です。

まだまだ沢山の鬼瓦がありますが、今日ご紹介した鬼瓦が一般的な鬼瓦です。
同じ鬼瓦でも、棟瓦との組合せにより、独自の意匠性、地域性を表現することが可能です。

※主な文献参照…甍技塾発行 瓦施工書

瓦葺きの工法について

瓦葺きには様々な工法があります。
P1060948.jpg
【引掛け桟工法】
瓦の葺き足寸法で瓦桟木を打ち、瓦を引掛けて葺き、多くは、ステンレス釘で留め付けする工法です。
《長所》
1、荷重の軽減が図れる。
2、雁足(斜め線)を通すことが容易など
《短所》
1、野地板のむら(凸凹)の修正がしにくい。
2、瓦のネジレがある場合葺きにくいなど
img-122150830-0001.jpg
【土葺き工法】
《長所》
1、野地板のむらの修正ができる。
2、寒暖の調整がなされる。
3、瓦のネジレが修正でき、落ち着きのある美しく葺くことができるなど
《短所》
1、荷重が重くなるので、建築構造の軸組等を太くする必要があるなど
DSC_1493_20130122152548.jpg
【なじみ土葺き工法】
《長所》
1、土葺き工法と引掛け桟工法の長所を取り入れた工法。
《短所》
1、施工費が高くなる。

現在では、瓦の精度の向上によるネジレの低減、屋根荷重の軽減、釘留めによる耐風性能向上などにより、圧倒的に「引掛け桟工法」が採用されています。
よく、展示会等では「昔に比べ瓦は軽くなったのですか?」と質問をされますが、瓦の重量はあまり変わりませんが、葺き土を使用しないことにより、荷重は軽減されています。
「土葺き工法」の良さも継承していきたいのですが、時代の流れなので仕方ないですね。
※参考資料
 甍技塾発行 瓦施工書

軒瓦のお話し

いぶし瓦の軒瓦には、様々な種類があります。
万十
【万十軒瓦】
一番スタンダードな軒瓦です。
img-621185829-0001_20130118111222.jpg
弊社では「水切り付機能」を付け、強風時に軒下に吹き込む雨水をシャットアウトし、長年に渡り、瓦座、広小舞(軒瓦の下の木材)の腐食を防ぎます。
小さな技で、大きな安心。2010年には特許も取得済みです。
ベタ万十
【ベタ万十軒(石持万十】
名前の如く、万十軒の“丸み”部をベタにした軒瓦です。
一文字
【一文字軒瓦】
軒先は勿論、銅板の上に使用する軒瓦。
“合端(あいば)”と言って、瓦を擦り合わせて隙間のないように施工しないといけないので、職人さんの腕が一番発揮できる瓦です。
和風シンプル軒
【和風シンプル軒瓦】
万十軒の施工性と、一文字軒の意匠性を融合した、和洋折衷に対応した軒瓦です。
粒入万十
【粒入万十軒(京花万十】
万十軒に唐草模様が入った軒瓦です。

まだ他の種類がありますが、施工写真を入手したらアップさせていただきます。
地域性などがありますが、役瓦の組合せにより、様々なオンリーワンの屋根を形成することが可能です。
色んな所で屋根を見上げると、新しい発見があるかもわかりませんよ!(くれぐれも運転中はお控え下さい。)


丸十八年・・・

今日は、甚大な被害が出た「阪神淡路大震災」から丸十八年。
改めて、お亡くなりになられた六千数百人の方々のご冥福をお祈りいたします。

弊社では、人的被害はなかったのですが、設備、在庫等にかなりの被害が出ました。
しかし、まだ窯を火止めしていたので、最小限で済んだのではないかと思います。
もし、窯が稼動中だったら…考えるだけでゾッとします。

何より被害が大きかったのは、震災後、メディア等で「瓦が重いため家が倒壊した」などの報道による風評被害による出荷の低迷。それは今もなお続いています。
DSC_2216_20130117070551.jpg
平成13年に屋根性能をより強化する為、各組合等で「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」を作成し、写真のような「耐風圧性能試験」を行ったり、瓦と瓦がフックでロックする「防災瓦」の開発をし、エンドユーザー様に安心してお使いいただける商品作りを進めています。
また、施工方法も瓦の下に土を葺き詰める「土葺き工法」から、瓦桟木に引掛けて釘留めする「引掛け桟工法」へ移行し、瓦自体の重量は昔からほとんど変わりませんが、屋根の総重量はかなり軽くなっています。
劇的な変化は難しいですが、安心して使用していただけるように、日々少しずつ改良しています。

桟瓦のお話し

粘土瓦の桟瓦には、様々な寸法、形状があります。
まずは形状から
IMG_4643.jpg
【切落】
桟瓦の水垂れの部分が、角形になっているもの
昔からある形状で、一般住宅は勿論、社寺仏閣に多く使われ、葺き上がりは重厚感を醸し出します。
P1050741_20130116131433.jpg
【面取】
桟瓦の水垂れ部分を丸くした瓦のことをいいます。
現在、地域性もありますが、圧倒的に多く使用されている形状です。

続きましてサイズは?というと…
P1070726.jpg
左側 53判 右側 80判
【53判】
和型桟瓦の大きさを表すもので、1坪当り53枚必要な大きさの桟瓦のことを言います。
53判にはA型とB型があり、53Aは淡路と愛知県の三州瓦で多く製造され、53Bは島根県の石州瓦のみ製造されています。(一部石州でもA型を製造)
53Aの働き寸法は、働き幅265ミリ、働き足235ミリ、53Bの働き幅は275ミリ、働き足は225ミリで53Aより、少し幅広なタイプになっています。
また、現在出荷されている多くは53判になっています。
【56判】
1坪当り56枚必要な大きさの桟瓦。
関西地方で多く使用されています。
【80判】
働き幅212ミリ、働き足181ミリの桟瓦のことをいい、通称「小瓦」と呼ばれ、庇、門、塀などに用いられる瓦です。
【その他】
60判、64判、100判、深切判、両深判などがあります。

一口に「粘土瓦」と言っても地域性などがあり、多くの種類があります。
桟瓦がこれだけ種類があるということは、付随する役瓦(軒瓦、袖瓦、棟瓦)がそれぞれあり、莫大な種類を各製造元が製造しています。
地震の備えも勿論大事ですが、降水量の多い日本。
桟瓦に「山」と「谷」があることにより、雨水をスムーズに流し、屋根を長持ちさせる、とても優れた屋根材です。
各地方の伝統的な景観を少しでも維持するため、各窯元は日々努力していますので、是非新築、葺き替えをご検討中の皆様、家を守るため非常に大事な「屋根」。軽量化、デザイン等の問題もありますが、「屋根」について、じっくりご検討いただければ幸いです。

第七十八番札所 郷照寺

弊社の坂出市にある香川営業所から本葺き一体瓦「源八いらか」の施工例が届きました。
CIMG1846.jpg
現場は約十年前に納品させていただいた、四国八十八ヶ所霊場「第七十八番札所 仏光山 広徳院 郷照寺」様の納経所です。
CIMG1845.jpg
方形屋根(真四角の屋根)なので、一番上には「露盤」(ろばん)と呼ばれる瓦が据えられています。
CIMG1840.jpg
隅棟は、のし瓦の透かし葺きで丁寧に施工されています。
お遍路さんをされる方は大変多いと思いますが、各地で様々な屋根形状がりますので、一息つく際にでも、屋根を見上げてみてはいかがでしょうか?

ガイドライン工法

新年第一弾の物件が完成しました。
DSC_2599.jpg
パーライトモルタルの下地にゴムアスルーフィングとプラスティックの人工桟木。
DSC_2605.jpg
軒瓦は三点留め。
DSC_2607.jpg
袖瓦の合端(切り合せ)は職人さんの腕の見せ所です。
もちろん袖瓦も三点留め。
DSC_2607-1.jpg
とても綺麗に仕上がりました(自画自賛(笑))
DSC_2611.jpg
谷部は下から見ると分かりづらいですが、上から見るとこんな感じです。
棟部も南蛮漆喰を使用し、棟金具に垂木を通してビス留め工法です。
ガイドライン工法で工事を行っても工事単価になかなか反映できませんが、
災害はいつ来るかわかりません。
その時に、過去の震災時に「瓦が重いからダメ!…」などと言われた風評被害を二度と言われないよう、地道な活動を続けていきます。
目先の利益はもちろん大事ですが、「急がば回れ」の精神で!!!

明けましておめでとうございます。

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
旧年中は、関係各位の方々には大変お世話になりありがとうございました。
本年も宜しくお願い申し上げます。
弊社では7日から新年の業務を始めましたが、何かとバタバタして
ブログの更新が遅くなりました。
経の巻(唐破風)
ブログを通して「淡路瓦」の良さを業界のみならず、一般の方々へ解りやすく
情報発信を出来ればと思っておりますので、宜しくお願い申し上げます。